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第4回RAPコラム『ミュージシャン(?)になるには - 田中の場合 -』

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 僕は音楽関係の大学や学校は通ったことはありませんが、現在はキーボードプレイヤー・アレンジャーとして活動しています。ではどうやって音楽関係の知識や技術を身につけたのか?と思われる方も多いと思います。

 そこで今日は簡単に、自分がプロとして活動するまで、「どんな状況でどうやって身につけて来たのか」や「こんなことをやっていたのが今役立っている」というようなことを整理してお伝えしたいと思います。

【クラシックピアノ】
 小学校から中学校までクラシックピアノを習っていました。絶対音感等、特殊な能力は何もありません。ピアノは、おそらく僕の原点ではないかと思います。

【吹奏楽部】
 中学校と高校の6年間、吹奏楽部に所属してOboeという楽器を担当しました。毎日譜面を読んでメトロノームに合わせて練習しました。Oboeという楽器はピッチ(音程)がとても不安定な楽器なので、正しい音程を把握するという意味ではかなり耳の力を養えたと思います。またクラシック音楽に触れる機会がたくさんあったのも良かったですね。

【アマチュアバンド】
 高校から大学までは色々なアマチュアバンドを組みました。16歳の時にシンセサイザーを買って初めてバンドに参加すると、先輩から「コードを覚えなさい」と言われ、コードの本で覚えました。次に「月刊歌謡曲」というようなヒット曲ばかり集めた雑誌を買って来て、歌いながらコードを弾いて遊んだのですが、これが楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。いま思うと、この「楽して楽しくて仕方がない」時間の中で、自然にコード弾きが身に付いたと思ってます。
 バンド活動では最初、バンドスコアを入手して練習していましたが、そのうちにスコアのない曲をやることになり、当然ながら耳で曲をコピーするという状況が生まれました。この時点ではコードは覚えているので、とにかく何回も聴いて一体何のコードが鳴っているのかをわかるまで聴いたのを覚えてます。そんな訓練を週に何曲もやってましたが、当時は「この曲を演奏したい!」という思いだけでした。

【DTM(打ち込み)】
 最初は中学校の頃でしたが、NEC PC-8001という古ーいパソコン(当時はマイコンと呼ばれていた)で、白黒画面に数字だけひたすら入れるというステップ入力で打ち込んでました。好きな曲のバンドスコアを買って来て、譜面を読み、数字を入力していくわけですが、とてつもなく地味な作業です。何が楽しいかというと、完成した時の達成感を期待していたというか、おそらくドミノ倒しのような感覚だったと思います。譜面が読めないと数値化できないわけですから、今思うと譜面を読んで譜割りを理解する訓練になっていたと思います。この経験は、その後自分で譜面を書く時に生きてきたと思ってます。
 その後、シンセサイザー内蔵のシーケンサー、マッキントッシュと形を変えていくのですが、進化するにつれて、ピアノやシンセパートは手弾きすることが多くなりました。ステップ入力するより早いし、弾けるものは弾いた方がいいに決まっていますので、その点楽器をやっていて良かったなと思います。
 最近のDTMでは自動的にアレンジしてくれるぐらい初心者には易しくなりましたが、本格的に作曲するのであれば、やはり譜面を読む&書く基本が出来ないと、やはり厳しいと思います。ある程度までは簡単に出来ても、その先が広がるかどうかは、基礎力があるかどうかにかかってくると思うからです。

【Jazz学校】
 サラリーマンを何年かやっていた時代がありましたが、ジャズを聴くようになったので、ジャズピアノに挑戦しようと思いました。ところが、何をどうやって弾いたらちっともわからない。そこで、週末だけジャズピアノを習いに行くことにしました。
 衝撃的だったのは、コードのボイシング(押さえ方)が、それまで身につけていたものとは全く別もの。コードに対する考え方が一度に変わりました。学校ではスタンダード1曲を何ヶ月も練習し、色々なアドリブが出来るよう練習しました。また音楽理論やスケールを教わったことで、その後フュージョンやブルース等、様々な音楽ジャンルに渡ってアプローチの幅が広がりました。また、アレンジする場合に、例えポップスであってもジャズ的な考え方をしてコードを変えたりすることも出来るようになりました。
 学校に通う事によって「ジャズが弾けるようになった」というより、「どうやって練習すればいいか」や「コード進行をどう考えていけばいいか」ということを学んだ気がします。

【インディーズバンド】
 サラリーマンをしつつ、友人とファンクバンドをやっていました。メンバーにはプロの人もいて、アマチュアバンドとは違う緊張感がありましたが、僕はとにかくうまくなりたいという向上心しかなかったので、練習が楽しくて仕方がなかったのを覚えています。
 ファンクというジャンルは、とてもリズムにシビアです。そこで、リハーサルを録音して家で聞き直し、自分のリズムの悪いところを徹底的に直すようにしました。その時は自分では良いと思っても、客観的に聴くとカッコ悪かったりするものです。自分の演奏を録音して家で冷静にチェックする、という方法は実に効果的で、今だにリハーサルの時は録音するようにしています。
 このバンドでレコーディングもしましたが、予算の関係でスタジオ一発録りということになりました。間違えたら他人に迷惑かかるし、何よりもいい演奏を残したい!という一心でひたすら練習したのを覚えてます。たくさん練習することで成長できたと思ってるので、実はあの時予算がなくて良かったな、なんて今では思ってます(笑)


 以上、項目に分けて簡単に書いてみましたが、結論としてこんなことが言えるのではないでしょうか。

1 楽器が上達する時は夢中になるような状況だった
2 DTMでは何か楽器が出来た方が100倍楽しい
3 リズムも響きもとにかく聴いて耳を鍛えた

 僕が学生時代の時は「プロになってやる!」なんて実は思ってなくて、ひたすら楽しんでいました。
やはり、楽しむのは全ての基本ですね!

第3回RAPコラム『家で作曲するには何が必要か』

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 ずいぶん前ですが、ボーカロイドの「初音ミク」を購入しました。「初音ミク」とはプライグインソフトと呼ばれる一つで、簡単に言うと歌詞と音程を打ち込めば、まるで本物のように歌ってくれるというものです。気がついたら、いま秋葉系(?)を中心に爆発的に売り上げを伸ばしているようですね。
 マニア向けの商品と思っている方もいると思いますが、実は自動歌唱に関するYAMAHAの高い技術が集結していて、たいへん画期的なソフトなのです。うまく作り込むと言葉が自然に乗るので、たまに仕事でも飛び道具的に使うのですが、好評です(笑)

 さてRAP科では、他学科よりパソコンに向かう時間が長く、作曲もパソコンを使って行われます。このように机の上で音楽を作ることを、DTM(デスクトップミュージック)と呼びます。わかりやすく解説した専門の雑誌も出ています。

  「家でDTMを始めるには何が必要ですか?」

 よく質問されるのですが、今日は何が必要なのかを簡単にお伝えしたいと思います。最低限必要なものは、ズバリこの通り。

  1 パソコン
  2 録音・再生するもの(シーケンサーソフト)
  3 音の出るもの(音源)
  4 打ち込むための鍵盤(入力用キーボード)

 何も持っていないという前提で、順を追って説明しましょう。

1 まずパソコンを買います。WinでもMacでも構いません。(どちらでも良いなら学校の環境に合わせてMacがオススメ)インターネットに接続したりメールしたりして、しばらくはパソコンの操作に慣れましょう。

2 次にシーケンサーソフトを買って来て、パソコンにインストールします。これはレコーダーのようなもので、録音&再生をするためのものです。Digital Performer、Logic、Cubase、SONAR、等色々な種類があります。MI東京校ではDigital Performerを使用しています。

3 次にドラムやシンセなど、音の出るものを買います。録音できても、音の出る楽器がなければ意味がないですよね?音の出るものを一般的に「音源」と呼びます。音源には2種類あって、パソコンの中で音が鳴る「ソフト音源」と、実際に箱から音が出る「ハード音源」がありますが、どちらでも構いません。シーケンサーソフトによっては、買った時にソフト音源がついている場合もあります。初音ミクなんかは、「ソフト音源」の部類に入ります。

4 この3点で音楽は作れるのですが、全てパソコンでの操作になるので、実は作業効率が悪くなります。特に和音を一つ入れるだけでマウスを細かく動かすことになり、とても大変です。そこで、打ち込むための専用の鍵盤が必要になってきます。ピアノが弾けなくても問題ありません。和音を入れるのも、一度鍵盤を押さえるだけで済みます。種類はありますが、一般的には3~5万円くらいでしょうか。

 以上でDTMはできますが、さらに簡単な例をあげてみましょう。パソコンにシーケンサーソフトをインストールして、音源が内蔵されているキーボードを買って来てパソコンとUSB接続します。これだけでDTMは始められるのです。例えば、家にパソコンがすでにあったり、バンドをやっていてすでに何かキーボードを持っていれば、意外とすぐ始められるものなのです。

 ただし、このシステムで出来ない事があります。それは、歌やギター等のいわゆる「生楽器」の音を録音することです。そこで、「録音するための装置」が必要になってきます。また、複数の機材で音が鳴ることになるので、さらに音をまとめるための「ミキサー」が必要になってきます。

  5 歌やギターを録音するための箱(オーディオインターフェイス)
  6 全ての音をまとめるもの(ミキサー)

 ここまで揃えば、今の機材は性能がいいのでプロレベルのサウンドも自宅で出来てしまいます。もちろん簡単にはそのレベルまでは作れるものではありませんが、必要なものとしては揃っているわけです。
 色々な学生から「何を買ったらいいのでしょうか」と質問を受けますが、オススメのシステムは人それぞれ違うので、個別に相談に乗ってあげています。1年も経つとRAP科の学生ほとんどは自宅で作業できる環境をそろえているようですね。例外なく、みんな夢中で作曲していますよ。

 最後に注意事項ですが、DTMシステムが自宅にできると、間違いなく楽しくなって寝不足になります。ご注意下さい!(笑)

第2回RAPコラム『フリーランスとは?』

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 さて2回目のBlogとなりましたが、今日は少し自分のことについてつぶやいてみたいと思います。

 僕はMI JAPAN東京校で講師をしていますが、フリーランスのArranger/Composer/Keyboard Playerとしても活動しています。
最近なにかと忙しいのですが、今回は、僕がこの業界で毎日をどんな感じで活動しているのかを先日のある一日を例に紹介したいと思います。

前日夜-08:00 BGM制作@自宅。2~3分のインスト曲を3曲作曲。
09:30-12:40 授業@学校。グループワークのレコーディングを2曲。
        学生がアレンジした曲に、エンジニアとして手伝いながら機材説明、
        ボーカルやギターのダビング。
12:50-14:00 ライブの打ち合わせ@渋谷センター街。ボーカリストから
        クラシックの譜面と鼻歌が入ったMDを受け取る。
        (持ち帰ったら、クラシックは練習、
        MDはこれをもとにジャズアレンジの譜面をおこさないといけない)
14:10-17:20 授業@学校。グループワークのレコーディングを2曲。
17:30-19:00 学校内ミーティング。
19:00-20:00 ナイトスクール@MI。デモ実演で簡単に1曲作ってみる。
20:45-22:00 世田谷のスタジオに移動し、早めに着いたので別件の譜面をおこす。
22:00-25:00 参加しているバンドのリハーサル@スタジオ。レパートリー4曲と新曲1曲。
27:00-29:00 帰宅。資料の確認。すぐ寝るつもりがピアノの練習を始めてしまう。
29:00 就寝(落語を聴きながら)
08:00 起床
09:00~ 次の仕事(昨日の曲のミックスダウン3曲と作曲者から依頼されたアレンジ1曲)
 
 僕は普段は一応「アレンジャー」と名乗っていますが、このように作曲・アレンジ・エンジニア・バンド活動がバランスよく配分されています。一昔前は、それぞれの役割の人がいましたが、今は一人で幅広い技術が求められてきている時代です。CDの売れ行きは厳しい時代となっているため、結果的に費用が削られ、1曲に関わる人数が限られてきます。そこで、「作曲の出来る人」「アレンジの出来る人」というような、それぞれの専門分野の人材よりも、「作曲からMixDownまで出来る」というような、一通りできる人材が求められているようです。僕の場合、比較的バランスよく活動しているため、それぞれの分野で得た知識や経験を別の分野で活かすことができます。このバランスの良さが、次の仕事につながって行く理由であると思ってます。しかし「広く浅く」だけだと器用貧乏になってしまうので、僕は「広く浅く時には深く」を心がけています(笑)。

 それから、1日で10曲以上の曲に関わっていることになりますが、これだけ数が多いと頭をすぐに切替えないといけません。シンガーソングライターのように、1曲を何日も温めながら作る方には難しいかもしれませんが、僕はもともと色んなジャンルで短い曲をたくさん作ることが好きなので、頭の切替はほとんど苦になりません。ですから、何曲もあるゲーム音楽の仕事なんかは結構楽しんでやっています。

 最後に、忙しい時の睡眠時間についてですが、僕は眠い時はあきらめて寝ます(笑)。なぜなら眠い時に仕事しても集中力が落ちて効率が悪くなるからです。ただし、寝る時間は自分で決めてキチンと起きないと意味がありません。上の場合は、「すぐ次の仕事があるけど疲れたから3時間だけ寝る」と決めて寝ました。フリーランスで仕事をするということは、自分で仕事をスケジュールを自己管理するという厳しさがあります。ですので、僕は寝坊するということはほとんどありません。

 たまに「先生寝坊しました~」と遅刻して来る学生がおりますが(笑)、僕は怒る以前に寝坊できること自体をうらやましく思ってしまいます。とは言っても僕も学生時代は同じでしたけど。

第1回RAPコラム『ある日の授業風景【グループワーク】』

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皆さん、お久しぶりです。MI JAPAN 東京校RAP科講師の田中俊光です。今後はBlog形式で皆さんにRAP科のことや音楽制作のことを写真付きでお伝えして行きたいと思います。

現在MI JAPAN東京校のRAP科では週に1度、「グループワーク」という授業があります。4~6人のチームに分かれ、そのチームで課題をこなしていきます。たとえば、「曲を完コピして打ち込む」課題であったり、「○○のようなオリジナル曲を制作する」課題であったりと、様々な課題をこなしていく中でチームメンバーと制作レベルでの会話を交わすことによりコミュニケーション能力も養っていきます。音楽制作ではこのコミュニケーション能力って非常に求められますからね。

今日は、グループワークの発表会の日でした。
さて今回の課題は、

「好きな曲を選び、好きなようにアレンジしてカバー曲を制作する」

というもの。発表は、原曲と完成作品を聞いてもらって、アレンジの方向性の説明、分担と感想を発表してもらいました。ゲストに他学科の学生や先生、教務の皆さんを迎え、少し緊張した雰囲気でしたが、どのグループもしっかりと発表できた様子です。
 では、どの曲をどんなふうに変えてしまったのか、ほんの一部を紹介しましょう!

・ハナハナ”あ~よかったな”をレゲエにする
・My Little Lovers”Now and Then”をロックバラードにする
・Mr Children”Tomorrow Never Knows”をハードロック・メタルにする
・布袋寅泰”Phoenix”をヒップホップにする

どのグループもユニークな発想ばかりで、ゲストの皆さんも楽しんでもらえたようでした。中には、原曲にはない歌詞(リリック)まで考えてレコーディングしたものの、初めてのレコーディングでうまく歌えなかったり、あるいはうまくギターが弾けなかったり、と悔しい思いをしたグループもあったようです。しかし、次につながる反省点として残ったのは、とても意味のあることです。

総評ですが、どのグループも共通して言えるのは、最初の「○○みたいにしよう」という狙い通りに、まだ出来てないという印象を受けました。アレンジの方向性を明確にするということは、具体的な楽器編成、細かなリズムパターン、フレーズやコード進行をあらかじめ練る必要があります。その辺のディスカッションをしないで見切り発車をすると、「気がついたらこんな感じになった」という偶然に頼って作ったり、あるいはアレンジの内容がメチャクチャになったりします。ですので、制作しながら音楽的な打ち合わせをたくさんすることで、完成度はもっと上がることでしょう。アレンジを分担する前に一度ラフで作ってみるのもいいですね。

 学生の皆さんの感想として圧倒的に多かったものが「それなりに大変だったけど楽しかった」というもの。サウンド的にはまだまだですが、まず今回は、楽曲制作の楽しさというものを十分に感じてもらえたようでしたね。次回も期待しています!

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