レコーディングをすれば、それで終了というわけではありません。レコーディングは、ボーカルやギターなどの音楽の素材を集めるだけの作業です。例えば10個のパートを録音したら、それは10チャンネルの素材が並んでいるだけに過ぎないのです。
「ミックスダウン(またはトラックダウン)」とは、複数のパートを「左右2チャンネルにまとめる」作業を意味します。
学校のメインのレコーディングルームです。レコーディングだけでなくミックスダウンでも使われます。細かいところをチェックするためにも、大きなスピーカーは不可欠です。
プロジェクトレコーディングルームにある、ミキサーとモニタースピーカーです。YAMAHAの10Mと呼ばれる、レコーディングスタジオではスタンダードになっているモニタースピーカーです。 では、ミックスダウンとは具体的にどんなことをするのでしょうか。簡単に説明すると、以下の3点になります。 1 音量を決める 録音したそれぞれのパートの音量を決めて、バランスをとります。 2 音の定位を決める 録音したそれぞれのパートを、ステレオ空間のどこに配置させるか決めます。例えば、ギターは右寄り、キーボードは左寄りにして、左右の広がりを作ります。 3 音色を決める(エフェクトなど) 必要なパートに、EQ、リバーブやコンプレッサー等のさまざまなエフェクトをかけます。空間系のエフェクトをかけると、前後の奥行きを作ることが可能です。
ミックスダウンをする前のイメージ図です。全てのパートの定位が真ん中になっているので、このままではステレオではなくモノラルになってしまいます。ラジオでいえばAMラジオですね。
ミックスダウンをした後のイメージ図です。それぞれの音の定位を決めたことにより、左右の広がりを出すことができます。こちらはラジオでいえばFMラジオです。
また、「リバーブ」と呼ばれる、残響を作るエフェクトを使うことで個々の奥行きを出すことができます。簡単に言うと、お風呂の中での響きを人工的に作ることができるのです。
ミックスダウンの様子を拝見。パソコンの画面です。フェーダーを上下させることにより音量バランスを決めます。また、フェーダー上のツマミを左右に振ることにより、音の定位を決めます。リバーブを使っていますが、これは数あるエフェクトの中ではほんの一つに過ぎません。
基本的にはミックスダウンのやり方に決まりはなく、エンジニアによって個性が出るものです。しかし自由度が高い分、実はそれだけ奥が深いのです。
小型モニターです。ミックスダウンをする時には、大きなスピーカーだけでなく、このような小型スピーカーでも確認することがあります。
普通の一般的なラジカセです。最終的にはこのようなシステムで音楽が聞かれることがほとんどですから、実際にラジカセから音を鳴らしてチェックするのです。
エンジニア志望の篠崎君です。普段から勉強熱心なのが実り、スタジオ就職の内定をもらいました。卒業後は今まで勉強してきたことを生かして、プロのエンジニアとして頑張って下さい!